熱貫流率てなんのこと? |
寒い季節には家でこたつに入り、みかんを食べながらTVを見る。
これが一番いいですね。そんな家の中で豆知識
最近の建物は昔と比べるとすさまじいぐらい気密性が高いです。
部屋の中にいて暖房一つでシャツ一枚で過ごせるとおもいます。
それは構造?外壁材?断熱材?暖房器具?
もちろん全部ですが、
一番大切なのはサッシです。
どんなにいい外壁材を使っても、どんなにいい断熱材を使っても
サッシの性能が悪いと意味がないのです。
なぜならサッシから一番冷気が入りやすく出やすいのです。
なのでサッシの性能をしっかり覚えましょう。
そこで知っていただきたいのが、『熱貫流率』 『Low-E金属膜』です。
- ●『熱貫流率』って何のこと?
- 壁や窓などの各部位で、両側の気温が異なるときに、暖かい側から冷たい側に向けて、
熱が壁や窓などを通過します。ガラスの内外の温度差が1度あったときに、
1時間あたり、ガラス1m2 を通過する熱量をワットで表したものが『熱貫流率(U値)』で、
数値が小さいほど断熱性に優れていることを表します。
単位は、「W/m2・K」で、
「ワット・パー・ヘイベイ・ケルビン」と読みます - ●各種ガラスの熱貫流率
品種(板厚構成) 熱貫流率 U値
(W/m2・K)単板FL5 5.9 フロートペアガラス
FL3+A6+FL33.4 フロートペアガラス
FL3+A12+FL32.9 サンバランス
SBQ3+A12+FL31.7 ガス入りサンバランス
SBQ3+Ar 12+FL31.4 “Low-E金属膜”によって
- ●Low-E(ロー・イー)って何のこと?
- Low Emissivity(ロー・エミシビティー)の略で、
『低放射』という意味です。 - ●Low-E複層ガラスとは?
- 特殊金属膜をコーティングした低放射(Low-E)
ガラスを使った複層ガラスを、
Low-E複層ガラスと呼んでいます - ●Low-E金属膜には、何が使われているの?
- 低放射性能を発揮する金属(旭硝子では
『銀』を使用しています)と、それを保護する
酸化金属を重ねた多層膜になっています。
熱の移動は、<放射><対流><伝導>の3つの形態で起こります。
複層ガラス内でも、これらの3形態が複合して起こっているのですが、
Low-E 金属膜は、このうちの<放射>による伝熱を少なくする性質を持っています。※<放射>の分かりやすい例は、暖房器具に手をかざすと暖かく感じられる状態です。
これは『放射伝熱』と言って、目に見えない熱線の放射が手に伝わってきているものです。複層ガラスの中空層における熱移動は、『放射伝熱』による熱移動が6割強を占めています(残りの4割弱は、<対流>で移動します)。Low-E金属膜を中空層に向けて使うと、この『放射伝熱』による熱移動量を少なくすることができるため、断熱性が向上します。
…ということは、空気層の両側にLow-E 金属膜を設けたら、さらに断熱性能が大幅アップ??するかと言うと…Low-E金属膜は、中空層の片側に設けるだけで、『放射伝熱』を8割程度抑えますから、もう片側のLow-E金属膜で、残る2割を低減させても、<対流>による熱移動が残るため、透明ペヤ ⇒ 片側Low-Eペヤのような、劇的な断熱性向上は望めません。Low-E金属膜は、中空層の片側だけで十分なのです。また、室温 (約25℃)に近い室内からは、波長の長い室内熱(遠赤外線、波長:10μm)が放射されています。
Low-E金属膜は、この遠赤外線を反射することで、室内の熱が室外に逃げるのを抑える働きをしています。『放射伝熱』を抑えて、遠赤外線を反射する。目には見えないLow-E 金属膜の効果によって、寒い冬でも暖かく、快適な室内が得られるのです。
- 熱が逃げるのを抑えることができれば冷暖房費も節約になります。
- 熱貫流率の数字が小さいほどサッシが優れていますので覚えておきましょう。